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自動車バッテリーの知識

自動車バッテリーの役割、交換時期、交換方法、種類と選び方、充放電の原理や構造など。



車バッテリーの交換時期

バッテリー劣化のメカニズムと自動車バッテリーの交換時期、判断基準について

本来ならばバッテリーの構造や充放電のメカニズムを理解してバッテリー交換時期について考えるのが一番なのですが、このページでは難しいこと抜きでバッテリーの交換時期の判断基準を書かせていただきます。

■バッテリーの簡単な構造、原理

自動車のバッテリーは陽極に二酸化鉛、負極には海綿状鉛、電解液に希硫酸を使用しており、化学反応によって電気を取り出せるようになっています。放電時には電解液中の希硫酸が鉛極板に結びついて硫酸鉛に変化し希硫酸中の水(H2O)が多くなり「比重が下がる」と言う現象が起きます。

このような状態を放電状態といい、充電されていくと硫酸鉛は二酸化鉛と鉛に戻り電解液中の硫酸濃度が高くなり比重が戻ります。このようなことを繰り返し行って電装品を作動させる放電とバッテリーに電気を蓄える充電を行っています。

■バッテリー交換時期の基準


テスターなどを一般的に使用しないユーザーにとってはバッテリーの良し悪しを判断する基準が感覚的なものになってしまいます。決して絶対的な判断基準になりえませんが補助的な知識としてお考え下さい。

エンジンの回転数上昇に比例してヘッドライトの光度が変化する

通常バッテリーが良好な状態であれば発電機であるオルタネーターの発電電流が変化しても電装部品に大きな変化が現れることはありませんが、バッテリーが弱くなり電圧が低い状態になるとオルタネーターの発電電圧の方が高くなるためバッテリーへの充電が活発になります。

極端にバッテリー電圧が低い状態ですと、バッテリーに流れる電流が多くなるため高出力電装品には発電機の発電量に応じて流れる電気量に変化が現れる場合があります。このような状態とはバッテリーがかなり弱っている状態を示します。

液補充式バッテリーの液減りが早い

バッテリーの充放電は電気分解を繰り返すことによる化学作用です。そのときに発生する熱などによって電解液中の水分が減少するのは自然なことですが、一般的な使用にもかかわらず減りが早い場合は極板劣化による充電効率が落ち頻繁に充放電が行われている可能性があります。

エンジンのかかりが悪い

エンジンの始動は短時間で大電流を必要とするため放電時の電圧降下が少ないことが求められます。バッテリーの性能を判断する絶対的判断基準のひとつである始動性能の感覚的判断バージョンと言う事で「エンジンの掛かり=クランキングスピード」感覚的な判断としては正しい決断が下せます。

ただし車によって始動時のクランキングスピードは異なりますので他車との比較は信頼できません、自分の車の感覚を覚えておくことが自分の車のバッテリー性能の判断基準になります。

充電してもバッテリーが上がる

極板が劣化して剥がれ落ちたり、白く変色するサルフェーションと言う現象が起きるとバッテリー充電を行っても僅かにしか充電さるることは無く十分なバッテリー回復が起きません。

内部では極板の劣化によって化学反応が起こせない、または鈍くなってしまい電解液の比重が回復しない。また放電時にも化学反応が起き難く放電できない状態になっています。すなわち状態変化が起き難く不活性化している状態で、一般的に寿命と呼ばれる状態です。

■バッテリー交換時期を正しく判断する


ある程度の器具を使用してバッテリー性能から交換時期を判断するには上記のユーザーの感覚的な判断にあわせて以下のような方法で判断するとより確実です。

使用期間による劣化から判断

使用状況などによって大きく寿命が異なる自動車バッテリーですが、バッテリーの状態が不安であれば使用期間で見込み的に交換時期を決めてしまうのも安全策といえます。一般的にバッテリーの寿命は2~3年と言われております。

極端にバッテリーに悪い使用状況を作っていなければ3年と考えてしまっていいと思います。もちろん5年以上持つバッテリーもありますが正直な話ここまでの寿命となると当たり外れも多少はあります。

電解液の比重チェック

バッテリー液の比重を比重計を用いて判断します。電解液として使用されている希硫酸は水よりも比重が重く液温20℃において1.26~1.28のものが使用されています。

そのときのバッテリーの放電状態のよってもバラツキが出てしまうのが難ですが放電量50%で比重1.15になります。この数値を下回るようでしたら充電状態に関わらずバッテリーが弱い状態になっていることが考えられます。

始動時電圧降下測定

ガソリンスタンドや一般的な整備工場などのバッテリーチェッカーはだいたい始動時電圧の降下をテストしてバッテリー性能を判断しています。しかしながらこのテスターも充電状態と気温に左右されます。

また端子との接触圧力によって結果がばらつくので正確に測定することが必要となります。テストを知らない人に対して結果が誤魔化せてしまうのも難点です。以上の方法を総合的に考慮して交換時期の判断を行ってください。

車バッテリーの充電方法/手順

自動車バッテリーの充放電の原理と充電方法、注意点充電器の選び方など。

■バッテリーの充放電


バッテリー放電時の反応

バッテリーの放電時にバッテリー内部では陽極板の二酸化鉛が硫酸鉛に変化し、負極板の海綿状鉛が硫酸鉛に変化しています。そして電解液中の希硫酸は水に変化していきます。

これによって電解液中の硫酸分が減ることから比重が低下するという現象が起きますので、「比重を計る」と言う行為がバッテリーの充電状態を確認するのに用いられる手法と言うことです。充電をしても比重が上がらない=寿命と言うような判断です。

バッテリー充電時の反応

放電状態では電解液の硫酸分が少なく水に近い性質になっています。これが比重の少ない状態です。ここから充電されることによって陽極板の硫酸鉛は二酸化鉛に変化して負極板の硫酸鉛も海綿状鉛へと変化します。

これによって電解液中の硫酸分が還元されて満充電で1.280(20℃)の比重の希硫酸電解液になります。比重が1.280に近いほどバッテリーの充電状態はよく極板に硫酸分が残らずきれいに充電反応していることになります。

■車のバッテリー充電方法と注意点


バッテリー充電はなぜ危険か

上記のバッテリー充電時の反応で書きましたが陽極が二酸化鉛、負極が海綿状鉛に戻ってくる、充電終期には陽極から酸素ガス、負極から水素ガスが発生します(希硫酸電解液中の水分であるH2Oを電気分解してしまうため)このガスはバッテリーから外気へ出ますので注意が必要です。

バッテリー充電種類

バッテリー充電方法としてはエンジン始動に必要な分だけの容量回復を目的とした急速充電と、バッテリーを満充電状態に回復させる為の普通純電に分けられます。急速充電はバッテリー液が高温になりやすく、電極が傷みやすい、充電効率が悪いなどが挙げられますが短時間で終了させることが出来ます。

普通充電は5時間率容量の10分の1の電流(40B19Rなら4Aで充電と言うこと)で充電し液温度20℃の時に電解液比重が1.280付近まで回復する、または発生ガスの量を見ながら充電する必要があります。一般的に普通充電では数時間掛かります。

充電時の接続順番の注意

具体的には充電終期に、電極でスパークが起こるとかなりの確率で爆発を起こします。よって充電器に掛けているときは電源を落とす順番、ターミナルを外す順番を間違えてはいけません。

まず充電器のコンセントを入れる前にメインスイッチが落ちているか確認してからコンセントを入れます。次に電圧レンジを普通乗用車なら12Vになっていることを確認します。続いて設定電流量が0になっていることも忘れずに確認します。

確認してOKであれば充電するバッテリーの+ターミナル-ターミナルに充電器のケーブルを接続して、メイン電源をONにして普通充電であれば10分の1の電流に設定して充電をスタートします。

急速充電であれば5時間率容量の半分~3分の2くらいの電流量を目安に30~1時間程度を限界に充電を行います。急速充電は極板を傷めやすくバッテリー寿命を縮めやすいので出来るだけ短時間で行いましょう。また液温度の上昇しすぎにも注意が必要です。

充電器から外す時の注意

一番注意しなければならないのは充電が終わってバッテリーから充電器のケーブルを外す時です。充電終期になると水素ガスと酸素ガスが盛んに発生しますので充電器からの電流を遮断せずにケーブルを取り外すとスパークする可能性があります。

充電後すぐにスパークさせると高確率で爆発する為大変危険です。発生する水素ガスは少量ですが火傷などを負うには十分な威力ですし、電解液が飛散すれば失明などの危険性もあります。

したがって充電が終わったら電流を0にしてメインスイッチをOFF、コンセントを抜いて最後にケーブルを取り外すという癖をつけておきましょう。

充電後のバッテリー取り付けの注意

充電後もしばらくはガスが発生し続けますので充電後30分~1時間くらいは車両に取り付けないようにしましょう。つけるとしてもターミナル接続は時間を置いてからにしましょう。理由は同様に爆発の危険性です。

■自動車バッテリーの充電器


自動車バッテリーの充電器はホームセンターやカー用品店などで購入できます。自宅でバッテリー上がりを起こした時、ブースターケーブルで救援できる状態ならいいのですが必ずしもそのような状態とは限りません。

充電器があればバッテリーを取り外して充電も出来ますし、車上でも充電可能です。また充電器によってはエンジン始動のアシストを出来る能力を持った充電器も存在します。

車の使用頻度が低くバッテリー上りを起こすような場合は、その都度カーディーラーやJAFに救援を要請するのは億劫ですし料金がかかることもありますので充電器は必須と言えます。

DIYの範囲で購入するのなら高機能タイプでCELLSTAR セルスター工業 充電器 CC-2500DX、最低でもCELLSTAR セルスター工業 充電器 CC-1100DXくらいは用意しておきたいところです。バッテリー容量が大きい場合は高機能タイプをオススメします。

充電器の出力が弱いとセルスタート機能などが使えませんので注意してください。充電器の5時間率容量とはバッテリーの頭番号、例えば55D24Rだったら5時間率容量55です。この容量に見合った充電器を選ぶようにしてください。

ドライバッテリーの利点欠点

自動車バッテリーのドライバッテリーの特徴、利点、欠点、使用用途などについての解説

■ドライバッテリーとは


通常の自動車バッテリーはバッテリー内部に電解液として希硫酸が入っており、鉛合金との化学反応によって電気を発生させています。ドライバッテリーとは名前のとおり乾電池に近い構造となっており液補充などを全く必要としない自動車バッテリーです。

ドライバッテリーと言うからには電解液が入っていないイメージですが実際には電解液が入っていないわけではなく、1セル(部屋)の中で完全密閉されて液が反応極板に染みこむ様な形で充填されているようです(残念ながら私も内部の実物を見ていません)

乾電池も同じ様なものですから乾電池を並列に繋いで12Vにした自動車用バッテリーという感覚で考えていただければいいかと思います。ただし基本の反応は同じ鉛合金と希硫酸によって充放電を繰り返します。

ドライバッテリーの利点

ドライバッテリーの利点として上げられるのは同型のバッテリーと比較して電気的な高負荷に対して電圧降下が少ない為、特にエンジン始動時などの大電流を必要とするときや、チューニングされたオーディオシステムを搭載する車の音質の向上などには有効です。

液入りのバッテリーと違い液がこぼれることがないので搭載する向きや、場所を選びません(ただし+がボディーと接触するとショートするので危険です)よって複数並列バッテリー搭載や、レース車量などでも使用される傾向があります。(レース車両の場合軽量である事も関連しているかと思います)

繰り返しの充放電に強く、通常はバッテリーを完全放電させてしまうと性能がかなり低下しますが、専用の急速充電器を使用すればほぼ完全充電状態に出来るため乗る機会が少ない車には価格が高くても逆に経済的です。

ドライバッテリーの欠点

瞬間的な電気負荷での電圧降下が少ない為強いバッテリーと思われがちですが、同じ大きさのバッテリーであれば容量(5時間率)はむしろ少ないので決してバッテリー上がりのしにくいバッテリではありません。

とにかく価格が高い為、何か理由が無い限り新しいバッテリーに早目に交換したほうが得という感覚になってしまいます。サイズや容量によって異なりますが同型の容量を求めると軽く4倍以上の価格が設定されていることもあります。

ディープサイクルとスターターサイクル

ドライバッテリーでも充電サイクルによってバッテリーの特性が異なります。ディープサイクルは完全放電に近い状態と満充電を繰り返す充放電形式で、極板が傷みやすいので元々傷みにくく丈夫に作られています。比較的容量が大きくオーディオ関係のチューニングをしたときのバッテリーに適しています。

スターターサイクルはエンジン始動時に大きな電気を流せる力が強いタイプでオルタネーターから常に一定の充電電圧がかかっており低下すると充電されるタイプです。タイプに合わせてドライバッテリーを選びましょう。

■ドライバッテリーの紹介


あまりなじみも無いと思いますので私が知っているドライバッテリーのメーカーと種類を挙げさせていただきます。と言っても私も有名どころしか認知していません。オーディオなどをいじっている人は知っていると思いますが、オプティマドライバッテリーオデッセイドライバッテリー の2メーカーがドライバッテリーの生産メーカーとして有名です。

シールド(密閉型)バッテリー

近年主流のシールド(密閉型)バッテリーの特徴、利点、欠点、などについて

■シールド(密閉型)バッテリーとは


自動車バッテリーの中でもシールドタイプまたは密閉式と呼ばれるバッテリー(以下シールドタイプ)がありますが、シールドバッテリーとは基本的に液補充等のメンテナンスを必要としないバッテリーです。

メンテナンスフリーである事からメンテナンスフリーバッテリー、MFバッテリーと呼ばれることもありますが同意義です。(メーカーによって呼び方が違うようです)

液減りの多いアンチモン合金からカルシウム合金へ極板を変えることにより基本的な充放電反応時の熱を抑えると共に内部構造を密閉型にして蒸発ガスを電解液に戻すような構造をとることによってシールドタイプバッテリーは実現しています。

ただし密閉構造といえどドライバッテリーのように液入り部分が個別に完全密閉されているわけではないので一定圧力でガスを抜いたりする機能もあり極僅かに液減りしますし、横向きなどにも搭載することが出来ません。

シールドバッテリーの構造

基本的に開栓型のバッテリーと大差ない作りですが、TOP部分に電解液補充の栓がありません。また充放電時に出た水素などは基本的にバッテリー電解液に還元されるようになっています。内部が高圧になったときはガスが抜けるように弁機構を有していることが多いです。

シールドバッテリーの利点

なんと言ってもメンテナンスフリー(MF)と言う点に尽きます。極僅かに液減りがするといってもシールドタイプバッテリーは液補充が出来るような構造にはなっていませんし、補充が必要ありません。よってメンテナンス性の悪い場所に設置するバッテリーには最適です。

シールドタイプバッテリーは開栓型のバッテリーに代わって主流になりつつあるので価格的にも変わらく、安価で購入できる為初期装着からの交換バッテリーに最適です。

シールドバッテリーの欠点

メンテナンスフリーであるが故に電解液の比重点検が行えないことです。無理に開栓してしまうと密閉性が損なわれバッテリーとして機能できなくなってしまいます。電解液の比重点検は負荷電圧降下テストと同時に行うことによってバッテリー性能、寿命を判断する重要な点検項目です。

■お勧めシールドバッテリー


ACデルコバッテリー

バッテリーのメーカーとしてだけではなく自動車関連の様々な部品を提供しているメーカーです。ACデルコバッテリーはカーディーラー及びカー用品店などでも幅広く使用されており信頼のおけるメーカーです。

電極にはカルシウム合金鉛合金を採用しており優れた充放電特性を持っています。量販店やカーディーラーでかなりの数が使用されているため価格も安価で、そのわりには高品質なのでオススメです。(実は私もこっそりこのバッテリーのサイズアップ,Vrを使用しています。大体2000cc以下の乗用車だったらこのサイズでいけるはず

GS YUASA シールドバッテリー

バッテリーメーカーと言えば・・・といわれるほど国内では最大手のバッテリーメーカーです。自動車に限らず、農耕車、重機、船舶等の特殊なバッテリーを生産しておりメーカー出荷時の自動車にはよくYUASAバッテリーがついてきます。

YUASAのシールドタイプバッテリーですとGS YUASA トライスター がシールドタイプで3年8万キロの保障期間を誇っている高性能バッテリーです。価格はACデルコと比較すると若干価格が高いと思いますが、性能保証面では若干トライスターに分が有るといった感じでしょうか。

バッテリー構造と各部の役割

より深く自動車バッテリーを理解する為のバッテリー構成部品とその役割について

■バッテリーの基本構造


バッテリー電圧とセル数

通常普通乗用車で使用されているカーバッテリーは公称電圧12Vのものが使用されており、バイクでは6Vの場合も有り、トラックでは24Vが主流として使用されています。このような電圧の違いには「セル」数の違いがあります。

12Vのバッテリーを例にとって見ると開栓式の液補充が必要なバッテリーには6つ液補充フタが存在するのは知っているかと思います。その1つの部屋の単位をセルと呼び、12Vであれば6セル、24Vであれば12セルを持つバッテリーと言うことになります。

鉛蓄電池は1セル当り2.1Vの起電力がありますので自動車バッテリーは6セルで公称12Vになっているわけです。ハイブリッドカーのハイブリッドバッテリーでは二百数十Vの電圧を要するため100以上のセルを持っているバッテリーを使用しています。

■バッテリーを構成している部品と役割


まずバッテリーの外殻の電槽の上に上フタ、密閉式であれば二重構造になっていたりします。それぞれ6セルに分けられた内部は正極板、負極板、セパレーター、グラスファイバーマット、電解液である希硫酸によって1セルが構成されています。

バッテリーの陽極板

陽極板はペースト状になった鉛が格子によって脱落しないように囲われています。陽極には二酸化鉛ペーストが使用されており多孔性金属で電解液の希硫酸が自由に拡散と浸透を繰り返すことが出来るようになっています。ただ特性上結合が弱く格子から脱落して寿命が尽きる原因のひとつとなります。

脱落しやすい性質を改善する為近年の自動車バッテリーはカルシウムなどの金属類が添加されており強度を補っています。またカルシウム混合鉛は充放電の化学反応時に液減りが少ないという特性も備えています。

バッテリーの負極板

負極は海綿状鉛で多孔性ですが結合力が強い為、陽極の二酸化鉛のように反応の繰り返しによって格子から劣化脱落することは無いのですが、充放電の反応時に付着する結晶が極板を覆ってしまい本来多孔性で電解液が行き渡るはずの機能が低下し寿命の原因の1つとなります。最たる状態がサルフェーションと呼ばれる状態です。

サルフェーションの結晶は自己分解できない為、極板が硫酸と反応できなくなり起電することが出来なくなります。内部的なことを説明すると異常のようなことですが、単純にバッテリーの寿命、バッテリー上がりの状態を指します。

陽極と同様に近年ではカルシウムなどの金属が添加されたカルシウムバッテリーが主流になっています。負極は元々陽極と異なり強度はありますがカルシウムを添加することによって液減り特性を少なくし、バッテリーの過熱爆発の危険性などを低めています。

セパレーター及びグラスファイバーマット

セパレーターは陽極と負極がショートしない為に絶縁体で無ければなりませんので、通電しない物質である樹脂とグラスファイバーなどを使用しています。ただし電解液が負極と陽極間を自由に出入りできる構造でなければならないためメッシュ構造などを採用し、なおかつ強度を保っています。

電解液(バッテリー液)

一般的に比重1.280の希硫酸が使用されており不純物が含まれていないことが条件です。ですから補充時に入れる水も当然不純物を含んでいないことが条件ですので一般的には蒸留水を補充します。

水道水はカルキやカルシウムなどのミネラルを含んでいるため電極に不純物が付着し充放電反応が鈍くなりバッテリー寿命を縮める原因となります。

車バッテリーの種類と選び方

バッテリーを構成する極板素材の違いと、シールドタイプ等種類別のバッテリーの選び方

■バッテリータイプ(種類)と選び方


極板の素材によって取り扱い方等が異なりますが一般的なバッテリーについて解説します。

開栓型バッテリー

フタを開けて補水する一般的なバッテリーです。現行で使用されているカルシウムタイプでは電解液の減少量も減り、以前に比べると大分メンテナンスフリーに近づいてきました。とはいえ日ごろのメンテナンスは必須です。

開栓型のアンチモンバッテリーは液減りが最も早いタイプで車両火災の原因ともなったバッテリーでこの影響で極板素材のカルシウム化、シールドタイプバッテリーの開発が進み普及しました。

メリットとしては密閉式のMF(メンテナンスフリー)バッテリーに比べ若干値段が安いことと、バッテリー上り時の充電回復性能が挙げられます。

密閉式バッテリー(シールドタイプ)

密閉式バッテリーはシールドタイプとも呼ばれその構造から電解液が非常に減りにくく電解液補充の手間が寿命まで一切掛かりません。メンテナンスいらずなのでMF(メンテナンスフリー)バッテリーとも呼ばれます。

電解液の減少がほとんど無いため常に化学反応を起こせる極板が電解液に浸っているため安定した充放電を行えるため結果的に高性能な場合が多いです。電解液の吹きこぼしによる周囲の腐食なども少なくカー用品店やディーラなどでも主流として扱われています。

また車両スペースの都合上メンテナンスが困難な位置にバッテリーが設置される場合にも、密閉型のバッテリーが使用される傾向にあります。MF(メンテナンスフリー)バッテリーと呼ばれる所以です。

ドライバッテリー

密閉型は一応ガス抜きの穴がありますがドライバッテリーはほぼ完全密閉で乾電池のような感覚で使用できます(直訳したらそのままでした)。すなわち倒して使用することも可能です。レース車両などで液が吹きこぼれるのを嫌って使用する場合もあります。

また始動性能が開放式や密閉式のバッテリーと比較して高く、高い電気負荷がかかっても電圧降下量が少ないのでクランキングスピードが冬季でも早く、また安定します。高出力のウーファーなどを装着している場合などにも効果的だといわれています。

また激しい充放電に強く、バッテリーが上がっても専用の充電器を使用して充電すれば、極板劣化をあまり起こさずに使用し続けることが可能です。放置車両などでも自己放電が少ないので最小限の容量低下しか起こしません。

欠点としてはまずとにかく価格が高い事が挙げられます。また始動性能などは同型と比較して高いのですがバッテリーの容量としてはむしろ少ない傾向にありバッテリー上がりを起こしにくいと言うのは誤解です。

■極板格子材質によるバッテリーの分類


アンチモンバッテリー

自動車のバッテリーは陽極板、負極版に金属製の格子を持っていますが、この格子の材質によってバッテリーの性能が決まってきます。従来は格子鉛の中にアンチモンという物質を添加したものが長く主流として使用されてきました。

しかしながらアンチモンバッテリーは充放電の化学反応時に熱反応が大きく液量の減少が激しかったため比較的頻繁な蒸留水の補水メンテナンスが必要です。このため保守管理が行き届いていない営業車両などでバッテリーが加熱して車両火災の原因となることもありました。

ハイブリッドバッテリー

ハイブリッドカーのバッテリーという意味ではありません。上記アンチモンバッテリーの液減り対策として片側の極板格子にカルシウムを添加したタイプをアンチモン、カルシウムのハイブリッドバッテリーと呼びます。

液減り量の減少と共に比較的反応の穏やかなカルシウムでは自己放電性も低いことが特徴です。

カルシウムバッテリー

現在は完全に両極カルシウム極板格子で構成されています。あるメーカーの言い分では液減りによる車両火災の危険性を少しでも減らす為に従来のアンチモンからカルシウムに完全に切り替えたとの事でした。

カルシウムバッテリーの利点は、自己放電が少なく放置に強いと言う点と液減りが少なく開栓式のバッテリーでもほとんどメンテナンスが要らないくらい、液補充回数を減らすことを実現しています。

その反面欠点としてアンチモンと比較して充電効率が悪い傾向にあります。高性能のように言われていますが反応が穏やかなせいかアンチモンバッテリーで液面管理をしっかり行っているよりも結果的に短寿命化したように思えます。

最もオススメするバッテリーのタイプ


お勧めするまでも無く流通性から考えても自然とシールドタイプのカルシウムバッテリーに行き着くと思います。価格、始動性、メンテナンス性などを総合的に考えた時にはこの辺りに落ち着くかと思います。

少し性能アップを図りたいのならばワンサイズ上のシールドタイプカルシウムバッテリーを選ぶといいでしょう。私なんかはそうしています。

車のバッテリーサイズと性能

車バッテリー規格の性能ランク、サイズ、プラスターミナル(+端子)方向による選び方

■自動車バッテリー規格/サイズと選び方


さてバッテリーを買おうと思ったときカー用品店に行ったとしたらすぐに自分の車についているバッテリーサイズが分かるでしょうか?またエンジンルームを開けてバッテリーを見つけたとして書いてあるサイズ記号の意味が分かるでしょうか?

同じサイズであっても端子の方向や性能ランクが異なる場合があります、店員さんやメカニックに聞いてしまうのもいいのですがオススメのバッテリーを言われるがまま買うよりも自分で選ぶ知識くらい持っておきたいものですよね。

バッテリーの表示記号


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まず上のような数字、アルファベット、数字、アルファベットの綴りの記号を見つけてください。バッテリーの天辺に記号が書いてあるはずです。

バッテリー性能ランク

一番頭に書いてある数字で、この記号ですと40がそれにあたります。バッテリーの総合的な性能を5時間率容量で表した数字です。40バッテリーならば40÷5H(時間)=8A(アンペア)なので8Aの電流を5時間放電することが出来るバッテリーということです。

よって単純にこの5時間率容量の高いバッテリーほど高性能なバッテリーと言うことになり80D24Rであれば倍の性能の16Aの電流を5時間放電できる性能を有したバッテリーと言うことになります。

この数字は50以下2刻み、50以上は5刻みで性能ランクが設定されています。性能ランクは容量と深く関わりますのである程度大きさ(サイズ)と比例します。

バッテリー高さと幅(JIS規格によるバッテリーサイズ規格)

記号 高さ 次に表示されているアルファベット上で言えばBがバッテリーの高さと横幅を表します。A~Hまで設定されておりJIS規格による区分のようです。単位はmmです。

サイズアップする時は特に高さに注意しましょう。ステーが付けられなく恐れがあります。
A 127 162
B 129 203
D 173 204
E 176 213
F 182 213
G 222 213
H 278 220

バッテリーの長さ

次に表示されている数字19はバッテリーの長さで単位はcmなので単純に長さが19cmである事を表しています。サイズアップする際はある程度余裕はありますが、バッテリー設置場所が特殊な場合はサイズ固定の可能性もありますので注意してください。

ターミナル(端子)の方向

最後に表示されるRはRIght(右)を意味しています。そのほかにはL(Left)と表示なしがあります。+端子を手前に見たときに向かってどちらに+端子が付いているかを表します。向かって左ならL、右だったらRと表示されます。

どちらでも付く可能性もありますが端子に負担を掛けたり、ショートなどの事故に繋がる恐れがありますので端子方向は正規の方向のバッテリーを取り付けましょう。

■バッテリー交換時サイズアップ時の注意点


バッテリーサイズアップ時はバッテリー装着位置に余裕があるか確認しましょう。普通乗用車でエンジンルーム内にバッテリーがある場合は大抵ワンサイズアップが可能ですが、寒冷地仕様など元々maxサイズのバッテリーだとサイズアップが出来ない場合があります。

またサイズアップするにしてもバッテリーの高さが極端に異なると取り付けステーが付かなかったり、干渉する可能性があります。特殊なレイアウトによってMRやRRエンジンレイアウト、トランク埋め込み型などはサイズアップできない場合があります。

車バッテリー長持ちメンテナンス

車のバッテリーを長持ちさせる使い方(メンテナンス方法)について詳しく解説

バッテリーは使用状況、使用環境によって劣化スピードが異なりますが、メンテナンスやちょっとした気配りで長持ち(超寿命化)させることが可能です。

■バッテリーを長持ち(超寿命化)メンテナンス方法


電解液(バッテリー液)の管理

バッテリーメンテナンスの中でも電解液の管理は基本中の基本です。現在主流になりつつあるメンテナンスフリー(シールド型)については必要ありませんが、電解液の液面が下がった状態で使用し続けると、やがて極板が露出します。

このような状態で使用すると絶対的に化学反応を起こせる部位が少なくなるので容量の小さいバッテリーを使用しているような状況になり充放電が激しくなり、劣化が劣化を呼びます。更に使用を続けるとサルフェーションと呼ばれる電極板白化現象が起きます。

サルフェーションが発生した極板(バッテリーでは)化学反応を起こすことが出来なくなり充電しても元に戻らなくなりますので交換以外に手段がなくなります。

強化電解液の使用

電解液には通常は蒸留水を使用します。カー用品店などでバッテリー補充液として売られているのは蒸留水です。プラスαの効果として電解促進効果のあるゲルマニウム入りの電解補充液を使用してみるのもいいかと思います。

バッテリーターミナルの切り離し

滅多に車に乗らないユーザーの為のバッテリー長寿命化対策として挙げられるのがバッテリーのマイナスターミナルの切り離しです。バッテリーは何にも接続されていなくても自己放電によって電気を消耗しますがターミナルを切り離すことによってバックアップ電源の為の消費電力を削減することが可能です。

この方法ですと時計やフルコンピューター制御式のエンジンCPUの学習値がそのたびにリセットされますが滅多に乗らないのであればこのくらいの対策はしておいた方がバッテリーにはいいかと思います。

夜間停止時の減光(電気負荷低減)

夜間走行メインの走行状況ですとどうしても電気負荷の高い状況で走行せざるを得ません。ちょっとした気遣いで電気負荷を軽減することでバッテリーの充放電を抑えることができます。

例えば夜間信号停止時のヘッドライトの減光、必要ないフォグライトの消灯、デフォッガは曇りが取れたらスイッチオフ、エアコン風量の適正化、オーディオ音量の適正化、見ないモニターはOFFにするなどが電気負荷軽減に繋がりバッテリーの充放電を押さえ長寿命化に貢献します。

電装部品の省電力化

電力消費量の多い電装部品の1つに灯火系があります。車に使われている電球は白熱電球またはハロゲンランプが多いのですが、これらの灯火類は熱を多く発生させるため光として利用するにはエネルギー効率がよくありません。

よってヘッドライトにはディスチャージヘッドランプと呼ばれる現在主流になりつつあるヘッドライトの装着や各所にLED電球を使用すると電気の消費量を減らすことが出来ます。欠点は価格が高額なことですがドレスアップの意味をこめれば納得できるかと言うラインです。

バッテリーのサイズアップ

これは根本的な解決方法から逸れているようで実に理に叶った対策といえます。バッテリーの寿命を縮める要因の全てに対応した対策になりえます。充放電が激しい場合は単純に容量が大きければ繰り返す回数としては少なくなります。

また短時間での電気消費にも従来のサイズよりも電圧降下がゆっくりなので極板を痛めにくくもなっています。始動性や電装部品も安定して作動させることが出来ますので、これこそ根本的な対策といえるのかもしれません。

注意点としては設置できるバッテリーサイズには限りがありますのでワンサイズアップを目安にランクアップを試みてください。例としてあげると00B19Rのバッテリーを00B24Rにサイズアップするなどです。

このような場合はアルファベットの「B」は変わっていませんから高さと奥行きは変わらず19から24になっているので横幅のみ24cmにサイズアップされているということです。サイズアップされれば必然的に00で表したバッテリー容量がアップします。

具体的には34B19Rから46B24Rへサイズアップなどが挙げられます。

車バッテリーの役割、故障

自動車(カー)バッテリーの役割りとバッテリー上がりに起因する不具合、故障などについて

■自動車バッテリーの役割について


エンジンの始動

ガソリンエンジンは最初は自力で始動することができませんので、バッテリーの電気を使用してスターターモーターと呼ばれる高トルクのモーターを利用して回転させ、エンジンが自力で回る為のきっかけを作っています。

過放電時の電流補填

エンジンがかかった後は自動車の充電装置(オルタネーター)からの電気によって電装品の作動は行われますが、電装品をたくさん使い充電装置からの電気だけでは足りなくなるとバッテリーからの電気を補填することによって電装品の作動を可能にしています。

特に雨天時夜間走行では電力消費の多いヘッドライト、フォグライトに加えワイパーやエアコン、デフォッガなどを同時に使用する可能性が高く、後付けのサブウーファーなどを鳴らしていると充電装置からの発電電力だけでは足りなくなるのでバッテリーの充電池が不可欠です。

エンジン停止時の電気の供給

エンジンが停止した状態では発電機の電気を使うことが出来ません。しかしエンジンが停止した状態で電装品が一切使用できなるとなると非常に不便ですし、機能上の不都合も多々でてきてしまいます。よってエンジン停止時には全ての電装品作動に置いてバッテリーから電力が供給されるようになっています。

■バッテリーに起因する不具合


バッテリー上り

バッテリーが弱く始動に必要な電力が得られないとエンジンを始動することはできません。自動車の路上トラブル第一位は毎年、大抵バッテリーのトラブルと決まっているほどなのでバッテリー上がりには十分注意してください。

コンピューター制御式電装品の初期化

最近の自動車で非常にわずらわしいのがバッテリー上がりの中でもライトの消し忘れなどで完全放電してしまった場合にはコンピューター制御や故障診断システムと通信を行っているシステムでは初期化が必要になる場合があります。

例えばフルオート式のパワーウィンドウやパワードア、ナビゲーションのバックガイドモニターや、駐車アシスト機能が効かなくなる、エンジン系では今までの学習値の消去によるエンジン回転数の変化などが挙げられます。

ナビゲーションやボディー関連の初期化については焦らず車やナビゲーションの説明書を見ると解決することが多いので一度説明書を読んでみると良いかと思います。

電子制御式トランスミッションや、エンジンCPUの学習値については、最初は不調であっても走っているうちに自然に治ってしまう(学習値付近に戻る)事が多いですが、車によってはリセットの方法などが独自に設定されていたりするので取り扱いのディーラーに持ち込んだ方が良い場合も有ります。

事故等の二次災害

路上でのバッテリー上がりに多い二次災害の事故は意外と多発しており、エンジンが掛からなくなり慌てて降りたところを跳ねられてしまったり、救済する為に止まった車が追突されたりと言うパターンが多いようです。

バッテリーが路上で上がってしまったら自分ではどうすることも出来ません。周りの車に助けを求めるのも路上では非常に迷惑な行為となりますので状況を見て行動しましょう。近くのガソリンスタンドやディーラーまで歩いて救援を求めるかJAFなどのロードサービスを利用しましょう。

意外と忘れられている自分が加入している任意自動車保険にロードサービスが付加されているケースも最近では少なくありません。利用できるものはキッチリ利用しましょう。

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