オイル上り対策・修理

オイル消費の原因であるオイル上がりの原因と対策・修理方法、判断方法などについて。

■オイル上りとは


エンジンオイルは不具合や異常が無くてもシリンダ壁の潤滑を終えた微量なエンジンオイルが燃焼し走行距離や使用回転域、使用エンジン負荷の高さに比例して消費し減少していきます。

このオイル消費の中でもオイル上がりとは主にクランクケース(エンジン下側)から燃焼室に侵入しオイル消費量が増えることを指します。原因はいくるかありますので以下を参考にして下さい。

1,オイル上がりの見分け方(判断方法)

オイル上がりはクランクケースから燃焼室に侵入する経路のオイル消費で、オイルの掻き落とし性能の不良、ピストン往復運動のポンピング作用によってオイルが燃焼室に侵入するのでエンジン回転数が高いほどオイルの上がる量が多くなります。

よってアイドリング時などは白煙が出ないのに、エンジンを空ぶかししたりした時にやたら白煙が多い場合はオイル上がりと判断することができます。臭いなどの五感を生かした診断によってさらにその精度を高めて水蒸気と勘違いしないように注意しましょう。

■オイル上がりの原因


1,ピストンクリアランスの過大

言い換えればピストンとシリンダーが磨耗して隙間が大きくなった状態のことです。長距離走行エンジンや過負荷使用エンジンではいずれ起こってしまう現象で自然といってしまえばそれまでの症状です。

隙間が大きくなれば同時に起こってくるのがピストンリング張力低下です。これによってエンジンオイル掻き落とし性能が低下して燃焼室に侵入する量が増えてしまいます

2,ピストンリング溝隙間過大

ピストンにはリングが入る溝が切ってあり通常のエンジンで1つのピストンに2本のコンプレッションリングと1本のオイルリングが付いていますが、これらのピストンピングは若干の隙間があるため上下に動くようになっています。

この隙間が大きくなるとピストンが往復運動をするときにピストンリングの動き量も大きくなりポンピングするような働きでエンジンオイルを積極的に燃焼室に押し出してしまうようになってしまいます。

3,ピストンリングの衰損、破損

エンジンのシリンダー内ではピストンリングはピストンの溝に入っており隙間が僅かな状態ですので仮に折損してしまっても脱落せずにエンジンは動き続けることも少なくありません。

異音や圧縮力不均一による不調で気づくケースがほとんどでしょうが、このような場合もオイル消費の原因となり症状の酷いオイル上がりになってしまいます。

4,PCVバルブの詰まり

PCVバルブとは燃焼室からピストン(ピストンリング)とシリンダーの間を吹き抜けてクランクケース(出力軸の有るエンジン下部)に侵入してくるガスを吸気系に再循環させるためにクランクケースに設けられた弁(フタ)のことです。

この吹き抜けてくる未燃焼ガスと燃焼後の高温、酸性ガスをブローバイガスといい、オイルを劣化させる一番の原因となる物質です。

PCVバルブは吹き抜けてきたブローバイガスによってクランクケースが正圧になるとバルブが開き吸気系に循環するワンウェイバルブ(一方通行のフタ)になっています。

よってPCVバルブが固着してしまうとクランクケース内圧が上昇してポンピングロス(ここではピストン下降時の抵抗)が大きくなると共に高温になって状気化しているエンジンオイルがクランクケースから燃焼室に上がってしまうポンピング作用によってオイル消費が促進される可能性があります。

しかしながらこの場合もっと重大なのはブローバイガスが排出できなくなるためにエンジンオイルの酸性化が促進されスラッジなどを大量に生成してしまうことです。

■オイル上がり修理・対策


1,エンジンオーバーホール

ピストンクリアランス過大によるオイル上がりの場合は、エンジンオーバーホール(最小部品まで分解して消耗部品を交換する作業)とオーバーサイズピストンへの交換などが必要になります。

正直な話現在ではよっぽどの思い入れがない限りこのような作業を行うことは少なくなりました。修理金額が車両価格を上回るためです。他の対応策としては中古エンジンに乗せ換える、エンジンオイル粘度を硬めにしてシール効果が高く膜厚な被膜のオイル添加剤を試してみるなどが挙げられます。

2,ピストンリング交換

結局の話エンジンのオーバーホールを伴いますので修理金閣としては10万単位の金額を覚悟するしかありません。ボーリング加工やオーバーサイズピストンへの交換をしない分修理金額は抑えられますが微妙なラインの修理内容です。

対応策としては上と同じようにエンジンオイル粘度を硬めに換えるとピストンリングの活発なポンピングを若干抑制できるためピストンクリアランス過大によるオイル上がりの場合よりは効果がでます。

しかしながらエンジンオイル粘度を硬くする特に排気量の少ない車は冷間時始動性悪化やフィーリング悪化が予想されますので覚悟の上で試してみてください。逆に密閉性向上によってエンジン暖気後にフィーリングが良く感じられることも稀にあります。

ピストンリング衰損、破損の場合はエンジンオーバーホールを行ってピストンリングを交換する以外修理方法は無いでしょう。

3,PCVバルブ清掃

PCVバルブが簡易的に清掃又は交換できるか否かは車種によって異なります。詰まってしまう主な原因としてはオイルメンテナンス不良などなのでオイルメンテナンスを見直してしっかり行いましょう。

オイルメンテナンス不良は悪魔の循環を生みます。オイルメンテナンス不良によってPCVバルブが詰まる→エンジンオイル劣化速度が速くなる→エンジンオイルが酸性化しエンジン内部の金属部分の腐食が激しくなり磨耗を促進する→さらにスラッジの大量発生、デポジットの発生。

結果エンジンオイルを交換しても完全に戻ることは無くエンジン各部の磨耗も進んでいるのでオイル消費量増加や異音、打音が発生することもあります。

エンジンオイル交換時期をしっかり守って、清浄作用の高いオイル添加剤などでエンジン磨耗や劣化に備えるのもいいことであると思います。

%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC%EF%BC%92%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E8%B6%A3%E5%91%B3%E7%94%A8.jpg

cms agent template0035/0036 ver1.005